
オリジナルグッズ作りで、デザインを考えるのは楽しくもあり難しい工程ですよね。
オリジナルタオル製作にはジャガード織や刺繍など様々な加工や製法がありますが、今回は代表的な「プリントタオル」のデザイン作成のポイントを解説します。
普段からオリジナルグッズや印刷物を作り慣れている方も、タオルならではの注意点がありますのでぜひ参考にしてみてください。
また、これからオリジナルタオルを作る方もこだわったデザインの仕上がりが「こんなはずじゃなかった!」とならないよう、ぜひご一読ください。
目次
タオルのプリント方法
当社でメインに取り扱っているのは、色ごとに版を作成する「製版プリント」と、版が不要でカラフルな表現ができる「フルカラープリント」です。
■製版プリント
製版プリントは、最もスタンダードなプリント方法です。
色ごとに版を作成し、タオル生地に直接インクをプリントするため発色が良くはっきりと色がのります。
グラデーションや写真など細かな濃淡の表現はできず、色ごとにベタのプリントとなります。
PANTONE・DICでの色指定が可能です。
■フルカラープリント
家庭用のプリンターのようにインクを生地に吹き付けてプリントするインクジェットという方法です。
色数に制限がなく、写真やグラデーションなどカラフルなデザインの色表現が可能です。
CMYKの4色のインクをかけ合わせて色を表現するため、PANTONE・DICでの色指定は出来ません。

タオルのインクの種類
「顔料」と「染料」の2種類のインクがあります。それぞれ特性が異なる為、デザインやタオルの用途によって使い分けます。
■顔料
顔料インクは、タオル生地の表面にインクをのせて乾燥させて仕上げます。
そのため、細い線や細かいデザインをシャープに再現することができます。
インクの粘度が高いので、生地の繊維の奥まではインクが入らず、プリント部分が少し硬い肌触りに仕上がります。
■染料
染料インクは、タオル生地の繊維の奥までインクを染み込ませる方法です。プリント後に、蒸し洗いの加工をして仕上げます。
プリント部分も綿本来の柔らかな肌触りになるのが、染料プリントの特長です。
プリントの際にインクが多少にじむため、細い線がつぶれてしまい細かいデザインの再現には不向きなプリント方法です。

細い線はどこまで再現できる?
細い線がどこまで再現できるかが、デザインデータを作る際に一番気になるポイントではないでしょうか。
製法・インクの種類・使用する色により、デザインの再現度は変わります。
仕上がりの個体差もあるので、心配な場合はなるべく太めの線でデータを作成しましょう。
実際に製作したタオルのデータと仕上がりの比較画像をご紹介します。
仕上がりが心配な方は、量産前に校正サンプルの製作を行うこともできます。(追加費用と納期が必要です)
【製版】顔料プリント
線の太さ:1~2mm以上(推奨)
線と線の間隔:1~2mm以上(推奨)

【製版】染料プリント
線の太さ:2~3mm以上(推奨)
線と線の間隔:2~3mm以上(推奨)
※濃いインクの広がりにより、白い線が細く仕上がります

【フルカラー】染料・顔料プリント
線の太さ:1mm以上(推奨)
線と線の間隔:1mm以上(推奨)

タオル端(ヘム・ミミ)のインクにじみについて
タオルを横長に見て、横の両端が「ヘム」、上下が「ミミ」といいます。
このタオルの端部分へのプリントは、インクにじみやかすれが生じ、色同士が混ざって汚れて仕上がる場合があります。これはタオルのプリントにおいて避ける事が出来ないデメリットですので、出来るだけタオルの端にはデザインを配置しない事をお勧めします。
特に製版プリントの「染料」の場合は、インクが広がりやすく汚れが目立ちやすくなる傾向があります。
フルカラープリントの「顔料」は、比較的ヘム・ミミの汚れが気になりにくいプリント方法です。

★パイルヘム仕上げ
どうしても端まで綺麗にデザインを入れたいときは、タオルをプリント後にヘム部分をもう一度折り返して縫製する「パイルヘム仕上げ」という方法があります。
インク汚れの部分を裏側に回すことで隠すことができます。
折り返す分、タオルのサイズは小さくなり、プリント面と同じ肌触りの生地になります。
※ミミの汚れ(上下の部分)には対応出来かねますのでご注意ください

色の再現について
タオルのプリントは、専用のインクを毎回ご希望色に調色してプリントを行います。タオルの色の再現性は、タオル生地の特性と、インクの種類と製法に強く影響を受けます。
製版プリント(シルクスクリーン)はPANTONE・DICのカラーチップでご指定が可能ですが、紙への印刷のような色合わせの精度は望めません。技術的に使用できない色や、インクの調合の扱いが難しい色もあります。
フルカラープリントの場合は、データの通りに印刷しますが、画面や印刷した紙の色とは差異が生じます。パソコン画面で見た色と家庭用プリンターで印刷した色が異なるのと同じ要領とご理解下さい。
■再現が難しい色
「グレー」「ベージュ」等のパステル系の淡い色は再現が難しい色です。
特にグレー系・ベージュ系の色は、変色が起こりやすく指定通りに仕上がりづらく、
プリントした段階では指定色に近似に再現されていても、洗浄や乾燥を行う工程で、色が変化したり、色ムラが出てしまうことがあります。
この様なリスクがございますので、色によっては色の変更や、顔料プリントでの製作を勧める場合があります。

■使うことができない色
タオルはプリントの特性から、金・銀等のメタリック系カラーは使用はできません。
また、白は生地の色となります。(※白色のインクはありません)

となり合う色に注意
「黄色と青」「赤と緑」など、補色の色がとなり合うデザインの場合、色と色の境界線がにじんで仕上がってしまう場合があります。
これは、印刷の際に色がとなり合わせになっている部分の版が重なるため、その部分のインクが混ざり合ってしまうことで起こります。(印刷の特性上避けられないものとなります)
となり合う部分は同系色に変更する、色と色の間に1cm程度の間隔をあける等の工夫をすることで、となり合う色のにじみが目立つのを避けることができます。

プリント位置のズレについて
タオルの生地は1枚ごとに個体差があり、印刷の際に位置を調整しますが加工の際に、上下左右に多少のズレが発生します。
特にタオルを枠線で囲むようなデザインや、タオルの形に沿ったデザインは、印刷のズレが目立ちやすくなります。
デザインする際には、出来るだけズレが目立ちにくいデザインをご検討ください。
また、データを作成する際は、重要なロゴや切れてはいけない文字などは必ずテンプレートのデザイン安全範囲内に収め、全面プリントの場合は、タオル外側の塗足し範囲までデータをご用意ください。

入稿データについて
データはillustrator形式にてご入稿ください。
その他、一般的な印刷物と同様にテキストのアウトライン化や解像度300dpi以上の画像のご用意などが必要です。
入稿データ作成の注意点については、こちらをご確認ください。
ご注文の際は、弊社のデザインテンプレート(illustrator形式)を使用しご入稿ください。
テンプレートはオリジナルタオル.comの商品ページよりダウンロードいただくか、お見積りの際にお問合せください。
デザインについてのご相談もお気軽にお問合せください
その他ご不明な点がございましたら、タオル専門アドバイザー「タオルソムリエ」にご相談いただく事が出来ます。デザインの再現性の相談等もお気軽にご連絡下さい。
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